自社の株式を事前に決めた価格で購入できるストックオプション。インセンティブの一つとして普及していますが、類似の制度にリストリクテッドストックがあります。ここでは、リストリクテッドストックの特徴やストックオプションとの違い、課税について解説します。
リストリクテッドストックは、役員や従業員に無償で付与されるインセンティブのことを言います。しかし、一定期間は株式の売買・譲渡が禁止されるなど、何らかの制限が課されています。これによってリテンション効果が生まれ、株主目線で経営を促進する効果が期待できます。
ストックオプションとは、付与される株式の権利・種類に違いがあります。ストックオプションは、自社株を権利行使価格で購入できる権利を付与するものです。一方のリストリクテッドストックは、従業員に現物株式が付与されます。ストックオプションは、株価が購入価格を下回ると損失が生じます。一方のリストリクテッドストックは、株の保有を続ける限りインセンティブが継続します。また、一定期間後は自由に売買できるため、キャピタルゲインを得ることも可能です。
リストリクテッドストックは、適切な方法で税務処理する必要があります。役員などに付与する場合、リストリクテッドストックを付与した時点で課税されることはありません。譲渡制限株式を付与するだけのため、損益は発生しないのです。
制限が解除される前に役員が退職した場合も同様で、課税される心配はありません。一方、売買・譲渡などの制限が解除された際には、給与所得として扱う必要があります。ただし、役員の退職を要件としていた場合は退職所得として扱いましょう。例えばリストリクテッドストックとして1株500円・1,000株を付与した場合、50万円を給与所得あるいは退職所得で計上することになります。
リストリクテッドストックの制限解除後に該当する株式を売却・譲渡した場合、その時点で譲渡所得が発生します。譲渡所得は、リストリクテッドストックの制限が解除された時点の株価(取得価額)と、売却額との差益が該当します。
例えば制限が解除された時点で1株500円、売却時点で1株700円だった場合、1,000株売却すると20万円の利益が生まれます。この20万円が譲渡所得で、一定の税率が課税されます。
上場企業、金融機関・官公庁、スタートアップ企業のそれぞれが直面するストックオプションに関する課題は異なり、最適なパートナー選びがその成功を左右します。資金調達の柔軟性、企業価値評価の公正性、インセンティブ設計などの課題に対応するためには、専門的な知識と経験が求められます。
ストックオプションの評価と設計において特有の強みを持ち、これらの課題に応えるソリューションを提供しているストックオプション評価機関を紹介します。