税制適格ストックオプション

税制適格ストック
オプションとは

「ストックオプション」には、役員や従業員がお金を払って自社株式を取得する権利を得る「有償ストックオプション」と、役員や従業員が、会社から無償で権利を付与される「無償ストックオプション」があります。

「無償ストックオプション」の中で、一定の条件を満たして課税が優遇されるものは「税制適格ストックオプション」と呼ばれ、それ以外の「税制非適格ストックオプション」と区別されています

税制適格ストックオプションと
税制非適格ストックオプション

ここでは、課税について「税制適格ストックオプション」と「税制非適格ストックオプション」を比較してみましょう。

1.課税回数

「税制適格ストックオプション」の課税は、「ストックオプション」を権利行使して得た株式を売却した時の1回。「税制非適格ストックオプション」は「ストックオプション」の権利を行使した時と、株式を売却した時の2度課税されます

2.課税率

「税制適格ストックオプション」は株式譲渡時の譲渡所得。譲渡益の20%と復興特別所得税です。「税制非適格ストックオプション」は権利行使時に「給与所得」として55%。株式譲渡時は「譲渡所得」として譲渡益の20%と復興特別所得税を支払わなければなりません

税制適格ストック
オプションの条件

税制優遇が受けられる「ストックオプション」になる条件として、以下の要件に該当する必要があります。

  • 発行価額は無償、権利行使価額は発行時の時価以上であること
    1株あたりの権利行使価額においては、ストックオプションを付与した際における株式の時価以上の額に設定することが必要です。
  • 付与対象者は会社及びその子会社の取締役・執行役・従業員
    付与対象としては、監査役や外注先、法人向け発行は対象外となります。また、未上場の場合は大口株主(発行済株式総数の1/3以上を保有)、大口株主の特別関係者も対象外です。
  • 権利行使期間は付与決議後2年を経過した日から、10年を経過するまでの間
    権利を行使する際には、付与決定後2年が経過した日から10年を経過する日までの期間に行うことが要件となっています。
  • 権利行使価格の限度額は年間1,200万円
    ストックオプションを行使する個人の権利行使限度額は年間1200万円まで。
  • 譲渡の禁止(付与対象者本人による権利行使のみ可能)
    新株予約権にかかる契約においては、新株予約権の譲渡を禁止するという点について定めておく必要があります。
  • 権利行使によって取得した株式は金融機関等に保管を委託する
    権利行使により取得した株式については、あらかじめ発行会社と証券会社または金融機関間で管理等信託契約を締結した上で、当該証券会社や金融機関などで保管または管理等信託がされることが必要です。
  • 「ストックオプション」付与日の翌年1月末日までに「付与調書」を税務署に提出する
    ストックオプションを発行した会社・金融商品取引業者は所轄の税務署に対し、付与日の翌年1月末日までに「特定新株予約権等・特定外国新株予約権の付与に関する調書(同合計表)」を提出します。

「税制適格ストックオプション」の条件を満たせない場合は、「有償ストックオプション」を選択する方法があります。このサイトでは、「無償ストックオプション」と「有償ストックオプション」のメリット・デメリットを詳しく解説しています。

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無償ストックオプションと
有償ストックオプションの違いとは?

「有償ストックオプション」は、役員や従業員が「ストックオプション」を取得する時に払込が必要ですが、課税されるのは、株式売却時の「譲渡所得」のみです。当サイトでは、ニーズ別に主な有償ストックオプションの設計・評価機関を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

令和5年に権利行使期間が延長

税制適格ストックオプションは、2023年に権利行使期間の延長が決まりました。従来はストックオプションを付与した後、2〜10年以内に権利の行使が必要でしたが、設立から5年未満の未上場企業に限り、改正後は10年から15年へと延長されます。

参照元:経済産業省_ストックオプション税制

税制適格ストック・オプションの会計処理

一般的に、ストックオプション自体の価値は「ブラック・ショールズ法」で計算されています。原則としては、この価値評価額がストックオプションの権利が確定されるまでの期間にわたって費用処理されることになっています。

ただ、未上場企業においては、本源的な価値(行使価格と時価の差額として計算される価値)が発生しなければ費用処理を行わないことが認められています。

税制適格ストックオプションの課税と確定申告

税制適格ストップオプションは、権利行使時点では税金は発生せず所得に変化がないため、確定申告が不要です。その一方で、株式は売却した時点で譲渡所得に対する税金が発生することから確定申告が必要となります。

確定申告を行う場合には、通常の株取引に必要な書類とともに、適格要件を満たしていることを証明する書類が必要です。そのため、ストックオプション付与契約書のコピーなどを証明書として提出します。

税制適格ストックオプションのメリット・デメリット

税制適格ストップオプションのメリットとしては「優秀な人材採用のために活用できる」「従業員のモチベーションを上げられる」といったものが挙げられます。また、社外協力者にも付与できることから、外部の協力者との長期的な付き合いにも活かせる株式の持分を回復させるために活用できるといった点が挙げられるでしょう。

また、デメリットとして挙げられるのが「業績が伸びないと社員のモチベーションが下がる」という点、「権利を行使した後に社員がやめてしまうというリスクがある」といった点です。ストックオプション目当てに入社した社員の場合には、権利を行使して利益を手にした後、会社を離れてしまう可能性もあるので注意が必要です。

Q:税制非適格から税制適格に変更した場合

税制非適格ストックオプションは租税特別措置法第29条の2が適用される一方、税制適格ストックオプションは非適用となります。どちらを取り入れるかは企業によりけりですが、ルールや制約が少なく、年間権利行使価額に上限がない税制非適格ストックオプションを選ぶケースも少なくないでしょう。

一方、途中から税制適格ストックオプションへと契約内容を変更し、その後権利を行使した場合、租税特別措置法第29条の2が適用されるのでしょうか?税制非適格ストックオプションは対象外ですが、税制適格ストックオプションであれば適用可能。そう考えると、契約変更によって大きな節税効果が生まれると考えられます。

A:租税特別措置法第29条の2は適用されない

しかし、途中で税制非適格から税制適格に変更したとしても、租税特措法第29条の2は適用されません。ストックオプションの権利を行使した際と、株式を売却した際の2回課税されることになります。

租税特措法第29条の2では、ストックオプションの権利行使において、株式の取得に関わる利益には所得税を課さないと規定しています。ただし、ストックオプションの権利を付与した時点で所定の要件を満たす必要があります。

最初に税制非適格ストックオプションを付与した場合、その段階で租税特措法第29条の2の条件を満たせなくなります。したがって、途中から税制適格ストックオプションへ変更しても、権利行使時の課税は逃れられません。節税するためには、最初から税制適格ストックオプションを付与することが求められます。

参照元:国税庁_ストックオプション契約の内容を税制非適格から税制適格に変更した場合

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