ストックオプションはアメリカで誕生した制度で、1997年の改正商法によって日本でも導入可能になりました。ストックオプションとは、定められた価格で自社株を購入できる権利で、ベンチャー企業やスタートアップ企業など、株価が大きく動く可能性がある企業において注目されています。
導入可能になってから20年以上経った2023年現在、実際にどのくらいの企業がストックオプションを導入しているのでしょうか。この記事では、ストックオプションを導入する企業数の割合、ストックオプション発行回数・割合など、実態について紹介します。
「東証上場会社 コーポレート・ガバナンス白書2021」によると、東証上場企業の約3割がストックオプションを導入しています。市場別に見ると、特に顕著なのが旧マザーズで、85%の企業がストックオプションを実施しています。
そのほか、市場第一部で28.6%、市場第二部で18.3%、JASDAQで25.8%という結果に。
将来が有望視されるベンチャー企業やスタートアップ企業など、今後の株価上昇が見込める企業が導入し、今後さらにストックオプションは拡大するかもしれません。
ストックオプションの導入は、従業員や役員の流出を防ぐ効果に期待できます。会社の上場などによって価値が上がったタイミングで売却すれば、従業員や役員は大きな利益に期待できます。さらに「ストックオプションをもらった以上、行使せずに退社するのは損だ」といった考えから、従業員の流出を防ぐ効果に期待できます。
また「ストックオプションの価値を最大限高めよう」といった従業員のモチベーションアップにも効果があるかもしれません。
企業価値評価・算定を行う「プルータス・コンサルティング」は、2021年に東京証券取引所に上場した企業125社を対象に調査を実施しました。
調査結果によると、2021年の新規上場企業におけるストックオプション発行割合は9.7%という結果でした。2018年には一度7.4%に落ち込みましたが、その後は数字を伸ばしていき2015年の9.6%を上回る数字を記録しました。2021年の最大値は、シンプレクスホールディングス株式会社による27%でした。
発行回数については、無償ストックオプションが平均4.2回、有償ストックオプションが2.2回、信託型ストックオプションが1.0回という結果に。
発行割合については、無償ストックオプションが8.0%、有償ストックオプションが4.6%、信託型ストックオプションが5.8%で、全体の平均は9.7%という結果になりました。
種類別のストックオプションを見てみると、無償ストックオプションを発行した企業は103社、一方で有償・信託型ストックオプションを発行した企業は22社にとどまっています。
定められた価格で自社株を購入できる権利、ストックオプション。導入されてから20年以上経つ現在の日本では、約3割の企業がすでに導入しています。特に旧マザーズにおいては、85%と高い割合で導入されています。今後テクノロジーの進歩や、新しいスタートアップ企業の隆盛により、ますます導入が増えるかもしれません。
上場企業、金融機関・官公庁、スタートアップ企業のそれぞれが直面するストックオプションに関する課題は異なり、最適なパートナー選びがその成功を左右します。資金調達の柔軟性、企業価値評価の公正性、インセンティブ設計などの課題に対応するためには、専門的な知識と経験が求められます。
ストックオプションの評価と設計において特有の強みを持ち、これらの課題に応えるソリューションを提供しているストックオプション評価機関を紹介します。